昔のスーパーカーを軽自動車サイズで作ってしまった大人たち

小さいけど本物そっくり!ミニスーパーカー

昔の子供たちの憧れ、そしてその子供たちが成長した大人たちの、やっぱり憧れ。
「スーパーカー」とはそういうものです。
そんな昔のスーパーカーをミニサイズで実現してしまった人々がいました。

マッドハウスとK4GP

昔のF3000などのフォーミュラや、富士GC(グランドチャンピオン)レースのマシンを制作したレーシングカーデザイナー、故・「杉山 哲」氏が興したマッドハウスは、今でも続く軽自動車を中心とした日本最大の耐久レース「K4GP」の主催でもあり、かつ軽自動車ベースの様々なカスタマイズカーを製作してきた事で有名です。
数多くのレーシングカーと同じリアにエンジンを配置し、シャシーもボディも一体化されたモノコックボディでは無く、シャシー(土台)にボディを被せる事が容易だったスバルの軽商用車「サンバー」や三菱の軽乗用車「i(アイ)」などをベースに、様々なレーシングカーやスーパーカーのレプリカを作りました。
軽自動車がベースなのですから、当然それらレプリカも縮小サイズでしたが、そのクオリティは極めて高いものだったのです。
また、故・杉山氏に続けとばかりに、マッドハウス以外でもK4GPなどで多くのレプリカが走りました。

アルファロメオ・ティーポ33/2デイトナクーペ

アルファ・ロメオが珍しくV8エンジンを搭載したレーシングカーとして1960年代に開発したのが「ティーポ33」で、そのロードバージョン33/2ストラダーレのミニレプリカです。
ガルウイングまでキッチリ再現されており、一見本物と見まごうような仕上がりは、FRPボディの達人と言われたマッドハウスの故・杉山氏ならではでした。
わずかにフロントグリルから伸びた、牽引用のフックの大きさやドライバーの対比から、大型レーシングカーの「33」と違う事がわかります。
下が本物の「ティーポ33/2ストラダーレ」です。

ポルシェ917LHi

1969年のル・マン24時間に登場したロングテールタイプのレーシングカーで、本物は4.5リッターまたは4.9リッターの水平対向12期等エンジンを搭載していましたが、この軽レプリカ版「917LHi」は三菱i(アイ)がベースで、エンジンも660ccとは信じられますか

チャパラル2H

アメリカで先進的なレーシングカーを製作していた「チャパラル」がCan-Amシリーズ(カナディアン-アメリカン・チャレンジカップ)用に1969年に制作したマシンです。
先端から後端までなだらかなクサビ型ボディが特徴で、空気抵抗を極限まで減らす努力がなされ、後にはリアからそびえ立つ巨大なリアウイングを採用、日本でも日産のR382などに影響を与えました。
このレプリカ「ミニチャパラル」は2Hの初期状態をスバル・サンバーベースに再現したもので、ボディサイドのラジエター部分(丸に「7」のゼッケン番号の前)まで再現されています

子紫電あーる

スズキ・アルトをベースに、由良拓也氏がデザインしたレーシングカー「紫電」のミニレプリカを製作したのが「子紫電」ですが、何とこの「子紫電」を作ったのも由良拓也氏です。
つまりセルフパロディなわけで、本家本元がセルフパロディで作ったミニレプリカが走る「K4GP」が、どれだけ「本気で遊ぶ」レースだったかが伺えます。
ちなみに由良拓也氏は、子紫電をベースにした「孫紫電」まで作っています。

フォードGT40

マッドハウス制作のフォードGT40ミニレプリカです。
1960年代に活躍したフォードのレーシングカーで、フェラーリを買収するはずだったフォードが、エンツィオ・フェラーリから断られたのに怒り、なんとしてもレースの場でフェラーリに復讐するために気合を込めて製作したモデルでした。
実際にル・マンなど数々のレースでフェラーリと大激闘を繰り広げて勝利を奪ったこのマシンの「本物」は4.2リッターから7リッターのV8エンジンを、それぞれのレースの規則に合わせて搭載していました。
マッドハウス制作のものは当然軽自動車のエンジンです。

いかがでしたか?
「本気で遊ぶ」の表現が似つかわしいシチュエーションは様々にありますが、あえて軽自動車ベースで往年の名車、それもレーシングカーのレプリカを作り、軽自動車のレースに出場する。
それも時には「本物」を作った人間が、自ら「レプリカ」を作る。
もっとも「本気で遊ぶ」にふさわしいシチュエーションの一つとして、これからもたくさんのレプリカが登場し、そしてレースで走ってほしいと心から願うばかりです。

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