BMW7シリーズ＆メルセデス・ベンツSクラス・憧れの最高級車の中古車相場は？

オーナードリブンカーの7シリーズとショーファードリブン傾向のSクラス

メルセデス・ベンツとBMW、どちらも日本では輸入高級車の代表的なブランドですが、その頂点に立つのがメルセデス・ベンツSクラスと、BMW7シリーズです。とはいえ両者のキャラクターはかなり異なります。

Sクラスは一時期「マイバッハ」と呼ばれる最上級車がその上にあり、現在もSクラスをベースとした「メルセデス・マイバッハ」ブランドの最高級車があるため、厳密には最高峰と言えないかもしれません。

そのため最近は若干事情が変わりつつあり、Sクラスもオーナードリブンカー(オーナー自身が運転する車)となりつつあると言われています。

とはいえ、元々はショーファードリブンカー(運転手付きでオーナーは後席に乗る)としての色彩が強かった車でした。

対する7シリーズは元からオーナードリブンカーで、Sクラスとはかなり性格が異なります。

どちらかというと、Sクラスの最高級サルーンに対し、7シリーズは最高級スポーツセダンと言えるかもしれません。

現行のW222系Sクラスは、中古車ですと575～2,598万円。

ただし最高額の車はチューニングを受けたブラバスモデルなので、現実的にはMAX1,680万円で、それもV8ツインターボのAMG S63です。

本来ならV12ツインターボのAMG S65が出てきそうですが、中古車市場に流れるほどの販売台数が無いのか、何か理由があるのでしょうか？

逆に575万円からと安価なのがS400h(ハイブリッド)で、W222系Sクラスの安価なモデルはほぼこれで占められており、これまた何か意味ありげです。

同じハイブリッドのS300h(2,142cc直4ターボ)より大きな3,498ccV6エンジンで、カタログスペック上の馬力やトルクはS400hが勝るものの、ターボのS300hの方が低回転から大トルクを発生させるだけに、ハイブリッドとの相性がいいのかもしれません。

いずれにせよ「Sクラスを安く乗りたい」というにはちょっと高いので、先代W221系を見ると、こちらは98～819万円。

車両本体価格で100万円を切るSクラス、さすがに走行距離は15万kmオーバーだったりしますが、それ以外はむしろ美品というレベル。

もちろん購入してからのトラブルは怖いものですが、中古車なら大なり小なりつきものですし、ちょっとした賭けでうまいことノントラブルで2万kmも走ってくれれば、100万円Sクラスとしては上々では？

このあたり考え方次第ですね。

それより古いW220系ですと2000年頃からのモデルで30万円も切りますが、そこまで古くなるとデザインやヘッドライトの輝き具合など、どうしても古さが目立ちます。価格と見た目のバランスが取れているのはW221系が一番ではないでしょうか。

現行のG11 / G12系が2015年にデビューしてまだ2年とたたない7シリーズですが、中古車市場は早くも活況で、相場は667～1,399.9万円とSクラスと比べればかなりお手頃に感じてしまいます。

V12エンジンを搭載したM760Liが中古車市場に出回っていない影響もあるのかもしれず、これで出てくると一気に中古車相場も上がりそうですね。

ただ、3リッター直6ターボの740iでも不満を感じるとは思えないですから、新しい年式の最高級スポーツセダンに乗りたいと思えば、ターボとはいえBMW伝統の直6を味わえることでもありますし、悪くない選択にも思えます。

先代のともなるとさらに値打ち感があり、169～770万円。 SクラスのW221ほど値落ちしていませんが、10年落ちでも無い4.4リッターV8ターボ車、それも走行7.5万kmの750iが169万円からとなると、これを例えば国産車で対等の価値があるものを同様の価格で買えるものか？

ここで比較するのはSクラスですが、運転する楽しさを重視するドライバーなら7シリーズを選ぶのではないでしょうか。

なお、6リッターV12ターボ搭載でロングボディの760Liも209万円からあり、さすがに走行16万kmオーバーはちょっと一度エンジン音や振動を確かめてから考えてみないといけないところですが、魅力的ではあります。

それより古いE65 / E66系ですと38～380万円、年式的にはSクラスのW220系と変わらないのですが、デザインは7シリーズの方が古さを感じさせませんし、走行距離が2万km以内の760Liが213.8万円など、F系よりこちらの方に一層魅力を感じますね。

ターボ化される前なので動力性能では劣りますが、むしろNAの方を好むユーザーであれば、7シリーズならE65 / E66系の程度の良いものを推したいところです。