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【クルマと会話する時代】コネクテッドカーがもたらす未来とは

2018年9月28日より、メルセデス・ベンツが4代目となる新型AクラスのテレビCMが公開されました。

そのCMに、野沢雅子さん(孫悟空役)、高山みなみさん(コナン役)、田中真弓さん(ルフィー役)が出演し、クルマと会話するという内容が話題となっています。

この、クルマがドライバーと会話するという技術は、人工知能の搭載によって可能となっています。この音声認知機能の他に、自動運転機能など人工知能をクルマに搭載させることで実現可能な技術の開発、実用化が現在盛んに行われています。

このクルマとインターネットがつなげる技術(クルマのIoT化)が、今の自動車業界の外せないトレンドとなっています。

今回は、話題のベンツ 新型Aクラスの音声認識機能を紹介した後、10月4日にソフトバンクと共同出資し、新モビリティ会社を設立することで注目を浴びたトヨタ自動車のコネクテッドカー戦略を紹介したいと思います。

メルセデス・ベンツ 新型Aクラスの音声認識機能

出典:https://robotstart.info/2018/10/02/new-a-class-mbux-cm.html

今、テレビCMで話題なのが、メルセデス・ベンツの新型Aクラスです。

当車両はフルモデルチェンジされた、全く新しいベンツのAクラスとなっています。

様々な新しい機能がありますが、中でも目を引くものが、当車両で初めて導入されるMBUX(Mercedes-Bens User Experience)です。

この新機能の一つに、テレビCMでも紹介されている、ドライバーの声を認識し、それに応じた最適な対応をAIが行うといったものがあります。

例えば、「ちょっと寒いから室温あげて」と話しかけると、快適な室温にAIが自動調整してくれます。

また、MBUXは高度な自然言語処理機能を搭載しており、例えば「東京の天気は?」と聞いた後に、「大阪は?」と尋ねるだけで、文脈を正しく理解し、答えてくれます。

この音声認識機能は、「ハイ、メルセデス」と呼びかけることで起動することができます。

音声認識機能の導入は、他クルマメーカーも積極的に取り組んでいる分野ですが、このメルセデス・ベンツのMBUXが群を抜いて性能が良いと評価されています。

恐らくこれは、声紋認証、対話型音声認識技術で定評があるニュアンス・コミュニケーションズと共同で開発したことが功を奏したと考えられます。

一方、他の自動車メーカーでは、トヨタ、レクサス、日産(Leaf)、アウディ(e-tron)が、Amazon社が開発したAlexa(AIアシスタント)をクルマに搭載させると宣言しています。

これが実現すると、今まで不可能だった、クルマに乗車しながら自宅の電気が消えているか確認する、といったクルマでの移動中もリモートで自宅の管理をすることが可能になります。

Alexaを導入するクルマメーカーが増えていけば、近い将来、クルマと会話するのはごく普通になっていくかもしれません。

世界を代表するトヨタが描く、コネクテッドカー戦略

TOYOTA_ITS

出典:https://clicccar.com/2016/01/18/347772/

日本、世界を代表するクルマメーカー、トヨタ自動車が最も注力して推し進める事業の一つに、コネクティッドカー事業があります。

コネクテッドカーとは、クルマとクラウドを繋げることで、これまでのクルマの主な機能(走る、止まる、曲がる)に、「つながる」が加わり、単なる移動手段であったクルマが、社会とつながるデバイスという新しい意味合いを獲得する可能性を秘めたクルマです。

トヨタは、理想的なコネクテッドカーを開発するにあたって、必要なシステムが2つあると考えています。

ここでは、その2つを紹介したいと思います。

クルマ、人、社会をつなげる、ITS (Intelligent Transport Systems)

ITS とは、最先端の情報通信技術を用いて、事故、渋滞、環境問題を解決するシステムです。

この技術により、クルマに搭載されたセンサーでは捉えきれない見通しの外の人やクルマの情報、さらには信号機の情報までを、道路上に備え付けられた装置、または他のクルマと直接通信を行うことで把握する事ができます。

この機能を活用する事で、以下の項目が可能になります。

右折時注意喚起

右折時に、交差点から発信された情報を受け取り、危険な場合はドライバーに注意喚起を行い、場合によってはブレーキをかけます。

信号待ち注意喚起

信号機から発信された情報を受け取り、ドライバーに注意喚起を行います。お年寄りが起こしてしまいがちな、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故もこの機能により、防ぐことができます。

また、信号待ちをしているときに、後どれほど待ち時間をがあるかを教えてくれる「信号待ち発信準備案内」、信号機が赤になる時間から逆算して、一番燃費が良い速度で走るよう調整する「信号情報利用型エコアクセルガイド」もあります。

通信利用型レーダークルーズコントロール

先行しているクルマから情報を受け取り、自動で適切な車間距離を保つ機能です。先行するクルマが急ブレーキを踏んだ場合も、その情報を受信することで、追突事故を可能な限り防ぎます。

また、クルマ受け取った情報を活用した機能でもう一つ、緊急車両存在通知があります。この機能では、救急車などの緊急車両がサイレンを鳴らして自車両の近くを走行している際に、ブザー音でドライバーに緊急車両の存在を知らせ、その車両がどの方向から来るのか知らせてくれます。

 

トヨタ自動車はこのITSを活用して、「交通事故死傷者0」を実現させようとしています。

 

ドライバーとクルマが心を通わすための、次世代テレマティクス

トヨタのコネクテッドカー戦略2本目の支柱であるのが、この次世代テレマティクスです。テレマティクスとは、移動しているものに移動通信システムを利用して行われるサービスの総称とされているので、次世代テレマティクスとはGPSや通信システムを用いて行われる移動通信サービスであることがわかります。

このサービスには、「ビッグデータ交通情報サービス」、「テレマティクスサービス」、「バーチャルオペレーター」の主に三つの機能があります。

ビッグデータ交通情報サービス

トヨタ自動車が所有している約300万台から得られた膨大なデータを利用したサービスです。

この膨大な情報により、渋滞が起きている場所を避けて走行するなどの運転の効率化を始め、災害時に安全に避難所までのルートを検索するなどといったことが可能になります。

また、このビッグデータは安全な道路環境を整えるためのツールとしても使えます。

実際に、札幌市では降雪時でのスリップによる事故を減らすために、ドライバーが急ブレーキを踏みABS(Antilock Brake System)を作動させた件数が多かった場所をこのビッグデータから見つけ、そこに積極的に除雪材を散布することで対処していました。

テレマティクスサービス

ドライバーが道に迷った際や、クルマの故障が疑われる際にオペレーターと電話で相談することができるサービスです。

また、このテレマティクスサービスの中に、「T-connect」と呼ばれる機能があり、この機能ではスマホからクルマのリモート操作(ドア鍵のロック、アンロック、ライトオフ、オン)をすることができます。

バーチャルオペレーター

これは、先程紹介したベンツ 新型Aクラスと同じように、クルマに搭載されたAIバーチャルオペレーターとドライバーが会話することができるサービスです。

行きたい場所やお気に入りのレストランなど、ドライバーの嗜好を先読みして勧めてくれたり、天候悪化などにより道路状態が良くないときは安全なルートを紹介してくれたりします。

また、AIがドライバーの行動パターンを学習し、「いつもの帰宅ルートでお願い」などの要望にも適切に答えてくれます。

この三つがトヨタが推し進めている次世代テレマティクスの概要です。

 

コネクテッドカーによってもたらされる未来は明るいか?

 

只今は、100年に一度の自動車産業変革期と言われており、今まで私たちがクルマに対して抱いていた常識が塗り替えられようとしています。

今まで交通事故は、防ぎようのないものとして考えられていましたが、クルマに新たな「繋がる」といった機能を付け加えたコネクテッドカーの普及が進めば、交通事故によって悲しむ人がいなくなるかもしれません。

コネクテッドカーの普及が広がれば、より多くの膨大な個人情報を管理する必要がでてきます。そうなると、個人情報の扱いや漏洩などの問題が付随して起こると予想されます。

しかし、交通事故防止、渋滞回避、ドライバーの様々な要求に応えてくれる機能など、コネクテッドカーには多くのメリットが存在します。

100年に一度の変革期で、私たちの生活がどう変わるのか、今後も自動車業界から目が離せません。