いかにアメリカンでも、やりすぎ?ハマー

あの名俳優が産みだしたミリタリーカーブランド「ハマー」

ハマーの成り立ちは少々複雑で、元は第2次世界大戦最高傑作の軍用車両としてウィリス社が開発したジープ(三菱ではなく、元祖のアメリカ製)に始まります。 「ジープ」ブランドはその後メーカーを転々として現在はFCAが所有して今もジープブランド車を作っていますが、元々のジープを作ったウィリス社もまたその姿を転々と変えました。 1970年代にはAMCの傘下、AMゼネラルとして引き続き軍用車両や商用車を作っていましたが、その時期に米軍から旧来のジープの後継となる、新たな汎用輸送車両の発注を受けたのです。 それが1985年から量産を開始した、HMMWV(High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle=高機動多用途装輪車両)でした。 もちろん、こんな長い名前な上に、略称すらも呼びにくかったので、すぐに略称をもじってれ「ハンヴィー」と呼ばることになりました。 早速米軍で運用が始まるとともに世界各国に売り込まれ、日本ではトヨタが自衛隊向けにメガクルーザーとよばれる高機動車を作り、あまりに「ハンヴィー」にソックリなので「ジャンビー」と呼ばれた逸話もあります。 ともあれハンヴィーは力強い新時代の米軍の象徴のような存在として世界各地の紛争地で活躍することになりますが、それを気に入った一人の俳優がいました。 「ターミネーター」「コマンドー」「プレデター」などで大人気を得ていた、アーノルド・シュワルツェネッガーです。 若き頃はオーストリア陸軍の戦車兵でもあった彼はハンヴィーを気に入り、AMゼネラルに民間型の販売を要請しました。 こうして1992年に生まれたのがハマー H1で、「ハマー」ブランドの始まりでした。

GMへのブランド売却

しかし、「ハマー」ブランドもまた「ジープ」ブランド同様、迷走の歴史をたどることになります。 6リッター前後の大排気量V8エンジンを搭載し、全幅2.1m以上、全長4.6m以上というハマー H1は、軍用車両そのものの外観と相まって、たちまち大人気になりました。 しかし、いかに広大なアメリカとはいえH1はさすがに大きすぎたようで、車庫入れしようとしたら門を破壊した、飼い犬をひき殺してしまったという事故が後を立たなかったようです。 ジャンビーと言われたトヨタ メガクルーザーはハマーH1に無い4輪操舵を搭載して小回りを確保しましたが、さすがに大きすぎました。 それでもH1の売れ行きはまずまずで、製造元のAMゼネラルが経営不振になったところを狙い、GM(ゼネラル・モーターズ)が「ハマー」ブランドを買い取ったほどです。 AMゼネラルは軍用部門を持っていたことから会社自体の売却は行われず、ハマーH1もハンヴィー同様引き続きAMゼネラルで生産が続けられました。 さらに軍用車両そのものだったH1の雰囲気はそのまま、中身の構造や内装などは通常のSUVチックになった一般向けモデル、ハマー H2が登場してAMゼネラルで生産され、これもヒットしています。

GM版「ハマーH3」の不発

一方で原油価格が高騰してガソリン代が高くなると、マニア向けH1の販売は低迷して2006年で販売終了、後継としてH2を一回り小さくしたH3がデビューします。 こちらはAMゼネラルではなく、GMのシボレー タホをベースにハマールックにした「なんちゃってハマー」とでもよぶべきモデルで、その当初は3.5Lの直列5気筒エンジンの非力さから不評でした。 ただ、H2より小型化されたことで取り回しは普通のSUV同様となり、日本など狭い道路の国でも何とか扱えるレベルになっています。 そのことからハマーといえばこのH3を主に連想する人も日本では多いのですが、全体的には売上不振だったのか、GMとしてはそれ以上ハマーブランドを存続する気が無かったようです。 2009年には中国の四川騰中重工機械にハマーブランド売却を決めて撤退を決めたGMですが、翌2010年にこの売却契約は破綻してしまいました。 一説には、「あまりの燃費の悪さに呆れ果てた中国政府当局が許可しなかった」とも言われていますが、現在の中国がエコカー政策一直線なのを見ると、事実かもしれません。 ともあれ、ブランド売却もならず、元よりAMゼネラルが引き取りもしないハマーブランドは、それでアッサリと終わってしまったのでした。 車が派手で巨大な割にヒッソリと消えたので、日本では「ハマーはとっくの昔に無くなった」ということを知らない人も多いかもしれませんね。

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